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手続きも解説!認知症の方も入居できる老人ホームの種類と選ぶポイント
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認知症の方でも老人ホームに入居することは可能です。日本全国に様々なタイプの老人ホームがあり、施設ごとに入居条件などが定められているので、入居を検討する際は、施設の特徴や受け入れ条件、費用を把握し、入居する認知症の方と介護する家族に合った老人ホームを探しましょう。
この記事では、介護福祉士・小林隆雄さん監修のもと、認知症の方が入居できる老人ホームの種類や、老人ホーム選びのポイント、費用相場や入居までの流れをわかりやすく解説します。
※この記事では、民間施設は「入居」、公的施設は「入所」、両方をまとめて表現する場合には「入居」と表現しています。
- コラムサマリ
■認知症の方も入居できる老人ホームはある
認知症の方によく選ばれる老人ホームの入居条件
■【一覧表】認知症の方によく選ばれる老人ホーム
【民間施設】グループホーム
【民間施設】介護付き有料老人ホーム
【民間施設】住宅型有料老人ホーム
【民間施設】サービス付き高齢者向け住宅
【公的施設】特別養護老人ホーム
■ポイントは4つ! 認知症の方向けの老人ホームを選ぶ基準
多様な認知症の症状に対応可能か
認知症の受け入れ実績は多いか
認知症に特化した医療連携はあるか
認知症による退去はあるか
■認知症の家族が入居する老人ホームの探し方
地域包括支援センターや、ケアマネジャーなどに相談する
インターネットで幅広く情報収集する
■認知症の方が老人ホームに入るまでの流れ
入居する際の手続きと準備
■認知症の方の老人ホーム入居を決めるタイミング
■施設に入居する際と入居後にかかる費用(入居一時金・月額費用)
■老人ホームの入居で利用できる助成制度を知っておこう
高額介護サービス費制度
特定入所者介護サービス費
自治体独自の助成制度
■老人ホーム選びは事前の情報収集が肝心
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認知症の方も入居できる老人ホームはある
老人ホームにも、認知症の方が入居できるところはあります。ただし、認知症の症状や老人ホームの入居条件などで入居できる老人ホームの種類は変わります。ここでは、認知症の方によく選ばれる老人ホームの種類や条件を見ていきましょう。
認知症の方によく選ばれる老人ホームの入居条件
認知症の方の入居に適した老人ホームは認知症の症状によって変わります。
〈表〉老人ホームの種類と入居条件
施設の種類 入居条件 民
間
施
設
グループホーム • 医師により認知症の診断を受けている
• 65歳以上で要支援2以上の認定を受けている(40歳以上で要支援2以上、初老期認知症〈若年性認知症〉の診断を受けている)
• 施設と同じ市区町村に住民票がある(法律上は「地域密着型サービス」に該当するため)
• 集団生活に支障がない
介護付き有料老人ホーム • 65歳以上で要介護1~5の認定を受けている(40歳以上で初老期認知症(若年性認知症)の診断を受けている) 住宅型有料老人ホーム • 60歳または65歳以上
• 自立している方、要介護1~5の認定を受けている
サービス付き高齢者向け住宅 • 60歳以上
• 要介護認定を受けた60歳未満
公
的
施
設
特別養護老人ホーム • 65歳以上で要介護3以上(特定疾病の場合は40歳以上)
• 特例により入居が認められた要介護1~2
※民間施設は、施設によって受け入れる要介護は異なる
入居を検討している老人ホームがあったら、まずは入居条件に該当するか確認することをおすすめします。
【一覧表】認知症の方によく選ばれる老人ホーム
認知症の方によく選ばれる老人ホームは、「グループホーム」「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」「特別養護老人ホーム」などです。ただし認知症が重度の場合は、施設によっては受け入れられない場合もあります。また、認知症の方をサポートしてくれる介護職員や看護師の配置も異なるため、確認しておきましょう。
老人ホーム 介護職員 看護士 民間施設 グループホーム 常駐 訪問 介護付き有料老人ホーム 常駐 常駐 住宅型有料老人ホーム 訪問 訪問 サービス付き高齢者向け住宅 訪問(※) 訪問 公的施設 特別養護老人ホーム 常駐 常駐 ※:介護型の場合は、介護職員が常駐介護職員が常駐する老人ホームでは、食事や入浴の介助といった身の回りの世話をしてもらいながら生活することができます。
介護職員が常駐しない場合は、ある程度のことは入居者自身で行う必要があり、 介護が必要であれば外部の介護サービスを利用します。
看護師が常駐している老人ホームでは、検温や血圧の測定、薬の管理といったサポートを毎日受けながら生活することができます。老人ホームごとの特徴を、より詳しく見ていきましょう。
【民間施設】グループホーム
グループホームは、認知症の方同士で共同生活を送る介護施設です。5~9人の認知症の方で共同生活を送り、職員から介護や見守りなどを受けながら、ほかの入居者と炊事や掃除などの家事を可能な範囲で分担して、できるだけ自立した生活を目指します。
入居者同士の交流や、協力して作業を行うことが多いため、ほかの入居者と一緒に暮らしていけることが大切な要素になります。
【民間施設】介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、認知症などで自立した生活が難しい高齢者に適した老人ホームです。24時間365日体制で介護職員が常駐し、入居者の介護や日常生活のサポートを行います。
体力の維持や向上のためのリハビリを受けることができるほか、様々なイベントに参加することもできます。看護師も常駐していますが、平日の日中のみ常駐、24時間常駐など、詳細は老人ホームによって異なります。
【民間施設】住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、自立した生活を送れる高齢者に適した施設です。食事の提供や掃除といった生活のサポートを受けたり、生活を見守ったりしてもらえますが、介護サービスの提供はありません。介護を受ける場合は外部の介護サ ービスを利用します。看護や医療に関しては、訪問看護や提携医療機関の往診を受けられるほか、外部の病院への通院も可能です。介護付き有料老人ホームと同じように、イベントやレクリエーションも行われます。
【民間施設】サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者だけでも安心して生活できるように作られた賃貸住宅です。建物はバリアフリー設計で、相談員が常駐して安否確認や生活相談に対応します。
あくまで賃貸住宅のため、ほかの老人ホームよりも入居者の生活は自立したものになります。また、「介護型」と介護サービスが付かない「一般型」の2種類があります。「介護型」は少数ですが、こちらの場合は介護サービスやリハビリを受けることができます。
同じ建物内で暮らす方々との関係は、一般的な賃貸マンションと同じような雰囲気です。ただし、イベントなどが開催されるので、入居者同士で交流を図ることができます。
【公的施設】特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームでは、身の回りの世話、健康管理、リハビリなどの介護を受けることができます。
民間の老人ホームは、基本的には個室での生活となりますが、特別養護老人ホームは、個室以外にも病院の大部屋のように複数が同じ部屋で生活する「多床室」というタイプがあります。
また、10人前後の少人数グループごとに、個性や生活のリズムを保つための個室と、ほかの利用者や地域との関係を築くためのリビングやパブリックスペースを1つのユニットとした「ユニット型」があり、このユニット型は認知症の方に適しているといわれています。
公的施設ということもあり、基本的に民間施設に比べて費用は低額です。
ポイントは4つ! 認知症の方向けの老人ホームを選ぶ基準
老人ホームには様々なタイプがあり、施設ごとに受け入れ条件や設備、サービスなどが異なります。そのため、十分な下調べをせずに老人ホームを決めてしまうと、様々な点で相性が合わず、認知症の方の大きなストレスになってしまいかねません。
入居する認知症の方とその家族が安心できるように、しっかりと調べてから老人ホームを決めることが大切です。認知症の方向けの老人ホームを選ぶ際のポイントは以下のとおりです。
認知症の方向けの老人ホームを選ぶポイント4つ
• 多様な認知症の症状に対応可能か
• 認知症の受け入れ実績は多いか
• 認知症に特化した医療連携はあるか
• 認知症による退去はあるか
それぞれ、詳しく解説していきます。
多様な認知症の症状に対応可能か
老人ホームごとに認知症の受け入れ体制は異なります。老人ホームを探す際には、受け入れている認知症の程度や、どのようなケアを行っているかを確認しましょう。
「認知症の方も入居可能」としている老人ホームでも、症状によっては入居できない場合もあります。また、現在の症状であれば入居可能でも、症状が進行した際に対応できず、退去せざるを得ないこともあります。将来のことも考え、その施設で対応可能な症状を確認しておきましょう。
認知症の受け入れ実績は多いか
これまでに受け入れた認知症の方の人数や、現在の入居者数も確認してみるとよいでしょう。老人ホームに電話で問い合わせたり、見学する際に質問したりするのも1つの方法です。
認知症の方を多く受け入れてきた施設であれば、職員の経験値も高く、施設として対応のノウハウを持っていると考えられます。そのため、入居後に適切なサポートを受けられることが期待できるでしょう。
認知症に特化した医療連携はあるか
老人ホームを選ぶ際は、日頃の健康管理や体力低下を防ぐリハビリ、訪問診療、緊急時の医療体制などの確認も大切です。特に認知症の方の場合は、通常の医療連携に加え、認知症に特化した心療内科や精神科との医療連携の体制も重要となってきます。
提携医が訪問診療を行っている施設や、認知症に対応した医院を併設している施設もあります。電話で問い合わせたり、ウェブサイトを見たりして、医療連携の状況を確認しておきましょう。
認知症による退去はあるか
認知症が原因で退去した過去の入居者がいたか、いた場合はどのような理由で退去したかを施設に質問してみましょう。
認知症の場合、ほかの入居者に迷惑をかけたり、施設の備品を壊したりする可能性もゼロではありません。そのようなトラブルが発生した際に老人ホームが退去勧告を出すこともありますが、勧告を出す要件は施設ごとに異なります。 そのため、退去勧告を出す要件や、過去に退去勧告を受けた人数とその理由を聞いておくことは、入居後のトラブルを防ぐために大切なことです。これまでの事例を聞き、認知症の症状も考慮して、その施設で長く生活できるか考えましょう。
認知症の家族が入居する老人ホームの探し方
専門家のアドバイス、インターネットの情報を得ながら、自分たちの目でも確認して認知症の方がストレスなく暮らせて、預ける家族も安心できる施設を見つけましょう。
老人ホームを探す際につぎの2つのことを行いましょう。
• 地域包括支援センターや、ケアマネジャーなどに相談する
• インターネットで幅広く情報収集する
認知症の方が安心して入居できる老人ホームを選ぶための第一歩です。1つずつ確認していきましょう。
地域包括支援センターや、ケアマネジャーなどに相談する
住んでいる地域を担当する地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに相談してみましょう。
認知症の症状や入居する本人の希望などを伝えれば、どのタイプの老人ホームが適しているかアドバイスがもらえます。ケアマネジャーが地域の情報に精通していれば、評判のいい施設やその施設の様子などの情報を得ることができます。
インターネットで幅広く情報収集する
老人ホームを検索できるウェブサイトが多数あります。まずは老人ホーム検索サイトをチェックしましょう。
サイトには、老人ホームごとの情報が細かく掲載されていて、住所、費用、部屋の広さ、受け入れ条件などが書かれています。施設内の写真も豊富に掲載されているでしょう。地域や費用など、条件を絞って検索することもできます。
こうした検索サイトは資料請求や見学の申し込みもできて便利です。パソコンやスマートフォンで簡単に閲覧できますので、入居する本人と一緒に探してみてください。
気になる老人ホームを見つけたら、実際に施設を見学しましょう。見学は、可能であれば入居する本人と介護する家族で一緒に行くことが大切です。建物の造りや周囲の環境、入居者や職員の雰囲気を確認し、いろいろと質問してみましょう。
認知症の方が老人ホームに入るまでの流れ
前述した老人ホームの探し方で、入居したい老人ホームを見つけたあとの流れをご説明します。老人ホームを見つけても、すぐに入居とはなりません。入居までに以下の手続きを行います。
〈図〉入居までに必要な手続き
体験入居は必須ではありませんが、入居する認知症の方が快適に過ごせるか、職員との相性は問題ないか、食事は口に合うかなどを確認することで、施設選びの最終判断の材料となります。
医師から認知症の診断を受けていることが入居条件となっている施設の場合、 健康診断書などに認知症の症状が記載されている必要があるので漏れがないようにしましょう。
入居する際の手続きと準備
審査まで終わって入居が決定したら、契約書を交わします。契約の際には以下が必要です。
• 入居者の印鑑
• 入居者の印鑑証明
• 連帯保証人・身元引受人の印鑑
• 連帯保証人・身元引受人の印鑑証明
• 戸籍謄本
• 住民票
このほかに、衣服や靴など、老人ホームに持ち込む生活必需品の準備も必要です。入居までに、自分で用意するものをあらかじめ確認しておきましょう。
認知症の方の老人ホーム入居を決めるタイミング
認知症の方が老人ホームに入居するタイミングは判断が難しく、誰かに相談するのもハードルが高いと思われる方も多いのではないでしょうか。一般的には、認知症で老人ホームへの入居を決めるのは以下のタイミングが多いようです。
• 自宅介護に不安を持った時
• 自宅で介護ができなくなった時
• 認知症が進行し、常に介護者の見守りが必要になった時
• 認知症の方が1人で暮らすことになった時
認知症の症状はあっても今までは1人で生活できていた、または家族の介護で十分だった場合でも、その状態が続くわけではありません。認知症の症状が進行することや、介護する家族が体調を崩すこともあります。状況が変わり、今までの生活を維持できなくなった場合は早めに老人ホームへの入居を検討しましょう。
部屋の空き状況によっては、希望する老人ホームにすぐに入居できないこともあります。将来を見据えて早めに老人ホームを検討し、空き状況に応じて早めの入居を決めることは、賢明な選択といえます。
施設に入居する際と入居後にかかる費用(入居一時金・月額費用)
老人ホームに支払う費用は、入居する際の入居一時金(保証金)と、入居後の月額費用があります。入居一時金は民間施設で必要とされるいわゆる初期費用で、敷金・礼金にあたります。金額は施設によって大きく異なります。月額費用は家賃、管理費、食費、水道光熱費、介護費用が含まれた費用です。
施設の種類 入居一時金(保証金) 月額費用 民間施設 グループホーム 0~16万円 9万6,000~14万円 介護付き有料老人ホーム 0~1,380万円 16万8,000~35万円 住宅型有料老人ホーム 0~380万円 10万~24万 6,000円 サービス付き高齢者向け住宅 0~27万円 12万5,000~23万円 公的施設 特別養護老人ホーム 0円 7万501~11万6,065円 ※:グループホーム、介護付き有料老人ホーム、特別養護老人ホームは介護保険サービスの自己負担割合が1割負担の場合
上の表は、老人ホームの種類別の入居一時金と月額費用の相場です。ワンルームの賃貸マンションの家賃が、立地や築年数、部屋の広さで大きく異なるのと同じで、老人ホームも立地やサービスによって入居一時金も月額費用も大きく異なるため、一概にいくらが相場とはいえません。
特に入居一時金に関しては、一時金が不要の施設も、数年分の月額費用を一時金として支払う施設もあります。公的施設である特別養護老人ホームであれば、入居一時金が不要です。また、サービス付き高齢者向け住宅は、通常の賃貸住宅と同じように敷金が必要なこともあります。
参考資料
1)みんなの介護「有料老人ホーム・サ高住・グループホームの費用相場調査(2023年3月時点)」
老人ホームの入居で利用できる助成制度を知っておこう
介護サービスの利用時や、老人ホームに入居した際に利用できる助成制度があります。利用できる制度は以下の3つです。
• 高額介護サービス費制度
• 特定入所者介護サービス費
• 自治体独自の助成制度
所得や資産などで異なり、市区町村ごとに制度の内容も違うため、詳しくは各自治体の窓口などで確認しましょう。
高額介護サービス費制度
要介護認定を受けると、費用の1~3割の自己負担で介護保険サービスを利用できますが、自己負担額が上限額を超えた場合にその一部が返還される制度です。
上限額は、収入などにより以下のように変わります。
〈表〉高額介護サービス費の対象者と負担限度額
設定区分 対象者 負担の上限額(月額) 第1段階 生活保護を受けている方など 1万5,000円(個人) 第2段階
市町村民税世帯非課税 公的年金等収入金額+その他の合計所得金額の合計が80万円以下 2万4,600円(世帯)
1万5,000円(個人)
第3段階 市町村民税世帯非課税 第1段階及び第2段階に該当しない方 2万4,600円(世帯) 第4段階 市区町村民税課税世帯 ①課税所得380万円(年収約770万円)未満 4万4,400円(世帯) 市区町村民税課税世帯 ②課税所得380万円(年収約770万円)~690万円(年収約1,160万円)未満 9万3,000円(世帯) 市区町村民税課税世帯 ③課税所得690万円(年収約1,160万円)以上 14万100円(世帯) たとえば、上の表で第4段階の①に該当する方の介護サービスの自己負担額が 世帯合計で10万円になった場合、「10万円-4万4,000 円=5万6,000円」が返還されます。
なお、この制度は介護保険サービスの自己負担額が対象となり、施設の居住費や食費などは対象に含まれないので注意が必要です。
特定入所者介護サービス費
特定入所者介護サービス費2)とは、所得や資産が一定以下の介護保険施設入居者などに対して、食費や居住費の一部を補助する制度です。利用には、市区町村 に申請して負担限度額認定を受ける必要があります。対象となる施設は特別養護老人ホームをはじめ介護保険施設全般です。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は対象外となるため、注意しましょう。
特定入所者介護サービス費用を受けられる対象者は以下になります。まずは認知症の方がどの設定区分に該当するのかを確認してみましょう。
〈表〉特定入所者介護サービス費の対象者と要件
設定区分 対象者 預金金額 第1段階 生活保護を受けている方など 要件なし 世帯全員が市町村民税非課税 老齢福祉年金受給者 単身:1,000万円以下
夫婦:2,000万円以下
第2段階 世帯全員が市町村民税非課税 本人の公的年金年収入額(※)+その他の合計所得金額が80万円以下 単身:650万円以下
夫婦:1,650万円以下
第3段階① 世帯全員が市町村民税非課税 本人の公的年金年収入額(※)+その他の合計所得金額が80万円超~120万円以下 単身:550万円以下
夫婦:1,550万円以下
第3段階② 世帯全員が市町村民税非課税 合計所得金額が120万円超 単身:500万円以下
夫婦:1,500万円以下
※:非課税年金を含む
認知症の方の設定区分を確認したら、つぎは実際に給付される負担限度額を確認していきます。負担限度額は所得設定(上記表の設定区分で判断可)、施設の種類や部屋のタイプによって異なります。今回は特別養護老人ホームの例を紹介します。
居住費 設定区分 食費 ユニット型個室 ユニット型個室的多床室 基準費用額(※) 1,445円 2,006円 1,668円 第1段階 300円 820円 490円 第2段階 390円(600円) 820円 490円 第3段階① 650円(1,000円) 1,310円 1,310円 第3段階② 1,360円(1,300円) 1,310円 1,310円 ※:基準費用額とは、食費と居住費の基準となる金額のことです。基準費用額と負担限度額の差額が補足給付されます
※:食費の()内はショートステイの料金
上の表からわかるように、特定入所者介護サービス費を活用すれば、施設での食費や居住費の負担を減らすことができます。たとえば第一段階に該当する場合、食費は基準費用額1,445 円のところを300円、ユニット型個室の利用は基準費用額2,006円を820円で利用できます。
参考資料
2)厚生労働省「サービスにかかる利用料」
自治体独自の助成制度
老人ホームを利用する方や家族の経済的な負担を軽減するために助成制度を設けている自治体もあります。
たとえば、神奈川県横浜市の場合、「介護サービス自己負担助成」という自治体独自の制度があり、以下のような助成を受けることができます。なお、助成を受けるには収入や資産に条件があるので、事前に確認しておきましょう。
〈表〉神奈川県横浜市「介護サービス自己負担助成」の一例3)
名称 助成内容 グループホーム助成 • 利用者負担を5%に軽減
• 家賃・食費・光熱水費について、月額2万9,800円を上限として助成
施設居住費助成 • ユニット型個室の居住費を月額5,000円程度助成(日額:165円) 参考資料
3)神奈川県横浜市「所得の少ない方には、介護サービスの自己負担を軽減する制度があります」
老人ホーム選びは事前の情報収集が肝心
認知症の方の介護を家族だけでは続けることができなくなり、老人ホームへの入居を検討する際は、事前に施設の種類や費用、環境といった条件を調べた上で選ぶことが大切です。
認知症の方の受け入れ実績や施設の体制なども確認しながら、入居する認知症の方が安心して住み続けることができる老人ホームを選択しましょう。
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